社会という言葉の指すもの

 

「社会」という言葉、ありますよね。

 

大辞林で調べると

 生活空間を共有したり,相互に結びついたり,影響を与えあったりしている人々のまとまり。また,その人々の相互の関係。同種の生物の個体間の相互関係や,それらのまとまり。

 同じ傾向性質,あるいは目的をもつ人々のまとまり。

 (自立して生活していく場としての)世の中。世間。

 「社会科」の略。

とありました。

 

言葉の意味としてはそうなのですが、いざ、人々がこの言葉を使うとなると、

・「まとまり」「関係」の適用範囲

・時間軸や時間的範囲

が、それぞれに異なっていて、実は共有できていないことが多くあります。

 

例えば「平和」について考えてみますと、

自分の身の回りで何も事件が起きていなければ、「平和だ」と思うでしょう。

「日本は平和」だなんて、よく言いますよね。

でも、日本にだって、身の回りで事件が多発しているようなところもあります。

そういう地域や集団の渦中にいれば「日本は平和」だなんて全く思わないことでしょう。

日本社会という大きな社会を適用してみても、立ち位置によって、自分との関係によって見え方は違い、当然捉えも違うということになります。

 

時間軸では、特に混乱があるかと思います。

こと教育のような、将来的な展望を語るような場においては、時間軸や時間的適用範囲の異なる「社会」が飛び交い、

なんともパラドキシカルなことも起きます。

 

今年4月に施行された(制定は3年前)「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のように、

「差別」について考えてみますと、その理念と方法とでは、指している「社会」が時間的に異なります。

合理的配慮・社会的障壁の示す「社会」は、現社会をしか表すことができません。
もちろん、だからこそ差別を解消するために、合理的配慮を行っていくわけであります。

しかし、(間違っていたらすみません)この法律は、時限立法ではないですよね。

そうなると、永久に合理的配慮は「義務」や「努力義務」であることになります。

義務でなくて「普通」である社会はいつ訪れるというのでしょうか。

(もちろん、法律の場合は、社会が変わったときに法律も変えればよいのですが)

言葉の中に矛盾ではないけれどパラドックスが生まれていると感じます。

「社会」という言葉を口にしたと同時に、もう一つ別の「社会」の存在が明らかになってしまうというか。

 

 

先日出された、次期学習指導要領の議論のまとめを読んでいても、「社会」というものを考えました。

これは、教育的というよりも哲学的な考えではありますが。

 

人間は、「向う先」を決めて、行動することによって社会を維持・発展させてきています。

私の教育ではなく哲学の考えの中では「維持・発展」ではなく「持続・継続」です。

ヒトという種が、絶滅することなく存続しているということです。

 

では、逆に、人間は「ルール」とか「目標」をもたないと絶滅してしまうのだろうかと。

教育的には「豊かに生きる」「幸福を追求する」ということを目的にして、生きていますし仕事していますけれども、

しばしば私はこういう哲学的な思いにも駆られます。

 

今日、Yahoo!ニュースにあった、「ブルドッグのゲノムにほとんど個体差がなく、危険な状態」というものなどからも考えてしまいます。先日の相模原での痛ましい事件の容疑者の理屈からも考えてしまいます。

 

倫理観とか、決まりごとを発展させてきた(哲学的な私には「発展」を意味していないけれど)人間社会は、

どこに向かっているのだろうかと。ほんの数万年だけ食物連鎖の頂点に立ち文明を発達させただけにすぎない、宇宙規模でいうと泡が生まれてはじけた炭酸水の一粒みたいなものなんじゃないかと。

 

その上で、私は、

「暴力の排除」(差別解消も同意)は、人間社会の発明だと思います。

 

そこを、科学してみたいという思いって、みなさんはもったりしませんか?

 

 

そんなこんなで、

数年前に買って、積ん読していた「複雑系」の本を、引っ張り出してきました。

この夏にゆっくり読もうと思います。

 

 

 

JUGEMテーマ:教育

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